(1)サン・ジャン・ピエド・デ・ポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)からブルゴス(Burgos)
サン・ジャン・ピエド・デ・ポー(以下、SJPP)からロンセスバージェス(Roncesvalles)までは
ピレネー越えとなり標高1,430mのレポエデル峠までひたすら登り坂となります。。
シーズン中はナポレオンルートを歩く事が出来ますが、悪天候の場合及び残雪があって危険な場合は
国道沿いを歩くことになるので、前日に巡礼事務所で巡礼路の状況を確認する事が必要です。
冬季シーズン(12月~3月末)はナポレオンルートが閉鎖となるので国道沿いの道を歩きます。
峠までの標高差はありますが途中までは車も通行できる道であり、日本のハイキングコースの様な
急こう配の山道の厳しさはありません。(途中のオリソン(Orisson)に宿泊する人もいる。)
パンプローナ(Pamplona)までは緑の多い道であり気持ちよく歩けます。
パンプローナを過ぎるとスペインらしい広々とした耕地や牧場が広がり、丘の村シラウキ(Cirauqui)
は美しい村です。
アラゴンの道(Camino Aragones)からの交差点である、プエンテラレイナ(Puente la Reina)
の王妃の橋を見て、歴史を感じるエステージャ(Estella)へ着くと、ホスタル等もあり一息つける
町です。
有名なワインの水道があるイラーチェ(Irache)からログローニョ(Logroño)付近にはブドウ畑が
広がり豊かなスペインの農村を感じる事が出来ます。
サントドミンゴ・デ・カルサーダ(Santo Domingo de Calzada)を過ぎるとペドラハ峠(標高
1,165m)までやや登りとなります。
サン・ファン・デ・オルテガ(San Juan de Ortega)から高原状の大地になり、久しぶりに大都会
のブルゴス(Burgos)へ着きます。
ブルゴスの大聖堂はスペイン3大カテドラル(セビージャ、
トレド)であり巡礼の疲れを忘れる美しさです。
レポエデル峠 | 広がるブドウ畑(Ayegui村) |
(2)ブルゴスBurgosからサリアSarriaへ
ブルゴス(Burgos)からレオン(Leon)までは標高600~800m程度のメセタ大地が広がり、巡礼路
も道路沿いのセンダであったり、農道を歩くことが多くやや退屈な区間です。
オルニージョス・デル・カミーノ(Hornillos del Camino)からオンタナス(Hontanas)までは
約10km単調な農道が続きますが、フロミスタ(Fromista)付近ではカスティージャ運河沿いの樹木
が美しい光景です。
レオン(Leon)はカスティージャ・レオン州レオン県の県都でありゴシック様式の大聖堂のステンド
グラスは見事です。ブルゴスと並び観光に一日を費やすことも良いでしょう
アストルガ(Astorga)を過ぎると前方に山々が見え出し、フォンセバドン(Foncebadon)の登りが
始まり、ここからモリナセカ(Molinaseca)までは下りであるが山道が続きます。
ポンフェラーダ(Ponferrada)はテンプル騎士団が防衛した見事な城が残っています。
ここからセブレイロ峠(O Cebreiro)までがフランス人の道での最難所となるりますが、ここまで
歩いていると体も歩く事に順応しており心配する程の登りに感じないでしょう。しかしながら冬季は
積雪も多いのでポンフェラーダからサリア(Sarria)へ迂回も考えた方がよいかもしれません。
静かな山間にあるサモス(Samos)の修道院を過ぎれば、サリア(Sarria)へ着きます。
メセタ大地 | Morinasecaへの下り |
(3)サリアSarriaからサンティアゴ・デ・コンポステーラSantiago de Compostelaへ
サリア(Sarria)からサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)(以下、
サンティアゴ)までは約113Kmであり、ここからサンティアゴまで歩けば巡礼証明書が貰える為、
ここを出発地点として歩き始める人が多いです。
サンティアゴまでは特に大きなアップダウンも無くアルベルゲ等の宿泊施設も多いことから問題なく
歩くことが出来ますが、夏のハイシーズンにはアルベルゲも混雑します。
ダム建設で湖に沈み新たに丘に移設したポルトマリン(Portomarin)を過ぎ、北の道が合流する
メリデ(Meride)を過ぎれば最終地点のサンティアゴも近くなり、最後のモンテゴソ(Monte do
Gozo)で宿泊して翌日に12時のサンティアゴ大聖堂での巡礼ミサに間に合うように出発します。
巡礼事務所で「巡礼証明書」を受け取り一緒に歩いた仲間と祝福する事が出来るでしょう。
ローマ橋(Arzua) | オブラドイロ広場 |
(4)概略の地図と標高差
地図
距離、標高の詳細については、サン・ジャン・ピエド・デ・ポーの巡礼事務所で詳細な標高図を
入手する事が出来ます。
(1)宿泊設備
フランス人の道(Camino Francés)は宿泊設備が十分にあり、アルベルゲ(Albergue)は5Km
間隔程度に公共(Municipal)又は私営(Privard)のものがあり不便はありません。
ただし、6~10月のシーズン期間中は満員になる事が多く、早めに到着する事が必須です。
公営(Municipal)では予約は出来ませんが、私営Privadoでは予約可能の所もあります。
詳細は下記のWebサイトが最新情報を掲載しています。
EROSKI CONSMER
Mundicamino
Gronze.com
(2)交通事情
スペイン国内にはスペイン国鉄(Renfe)がありマドリッドMadridと巡礼地のパンプローナ、レオン、
アストルガ及びサンティアゴ等で利用可能です。
主要地については鉄道よりもバスが便利でALSA、Amaya、Monbus 等の各社があり下記のサイトが
詳細に記載されていますので参照下さい。 (巡礼路を歩く、巡礼路への行き方、戻り方 等)
鉄道、バス等の時刻表の調べ方は下記を参照して下さい。
列車・バス時刻
(3)通信事情
スペイン国内では主に下記の携帯電話会社がサービスを行っています。
Movistar(スペイン最大の通信会社Telefonicaの携帯サービス)
Vodafone España (英国の世界的な携帯電話会社)
Orange (フランスの携帯電話会社)
サービスの方式はGSM/W-CDMAであり、日本の携帯電話会社(ドコモ、Au、ソフトバンク)と
ローミング契約を行っているので利用が可能だが自分の携帯電話が国際ローミングに対応している
か事前に確認が必要です。
巡礼路の途中では圏外になる事がありますが、各村内では通話可能で問題はありません。
プリペイドサービスも行っていますが短期の巡礼者には自分の携帯電話を持参することが利用性が
高いですし、スマートフォンがSIMフリーであれば現地でSIMを購入して利用が出来ます。
Wifiサービスもホテル、レストラン、バル及び一部のアルベルゲで利用可能です。
フランス人の道は多くの巡礼者が歩いており、道標、宿泊設備(アルベルゲ等)及びレストラン・
バル等も完備されているので歩く事には問題はありません。
巡礼路もセブレイロ峠、ピレネー越え等の標高差がある個所もありますが、車も通れる道で長い
緩やかな登りが多いので時間をかけて歩けば十分に歩けます(但し、悪天候時は注意が必要です)
問題は夏季(特に6~9月)の日中の暑さで、メセタの午後になると35℃程度までになる事も
多いので熱中症に十分注意が必要です。
途中には世界遺産のカテドラルや歴史的な建造物もあり、十分に巡礼中の観光も楽しめるルート
です。
フランス人の道には多くのガイドブックが発行されていますが、比較的入手可能で推奨するガイド
ブックを下記に示します。
世界遺産を歩く旅 |
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A Pilgrim's Guide to the Camino de Santiago
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Camino de Santiago: St. Jean
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Guía del Camino de Santiago para Peregrinos |